FAILUREで覚える心不全の増悪因子を解説

研修医・若手医師

CS1の心不全だからNIVと硝酸薬を開始してと・・・、後は入院するだけですね!

心不全の初期治療はだいぶ慣れてきたみたいだね。ところで心不全増悪の原因の覚え方FAILUREは知ってるかな??

FAILURE??

目次

FAILUREの頭文字で覚える心不全の増悪因子

FAILURE:心不全の増悪因子
  • F:Forgot Drugs(怠薬)
  • A:Arrhythmia, Anemia(不整脈・貧血)
  • I:Ischemia, Infection(虚血・感染)
  • L:Lifestyle change(水分・塩分過剰)
  • U:Upregulators(甲状腺・妊娠)
  • R:Rheumatic(弁膜症)
  • E:Embolism(肺塞栓)

救急外来で心不全を診たときに一番大切なのはIschemia(虚血)つまりは心筋梗塞の否定です。

特に呼吸状態が悪いとNIVをつけたりいろいろしているうちに心筋梗塞を除外する、というのが頭から抜けてしまうことがあるので注意が必要です。

Anemia(貧血)やInfection(感染)も心不全の初期治療に加えて治療が必要となる可能性が高いため救急外来では特に重要です。

貧血を見つけたら直腸診も忘れずに行いましょう

Forgot drug(怠薬)やLifestyle(水分・塩分過剰)などは救急外来での初期治療には直接つながらないかもしれないですが、入院後の管理や患者教育の面などから入院担当医に申し送る情報として意味があります。

Lifestyleについては、特に旅行中や年末年始、ゴールデンウイークなどで食生活が乱れるなどで水分・塩分過剰になったりすることは珍しくありません。

まとめ

心不全の増悪因子の覚え方FAILUREの頭文字を使っての覚え方を解説しました。

救急外来では特に虚血、貧血、感染症(まれに肺塞栓)が重要になります。

余裕があれば怠薬や水分・塩分過剰などの情報も積極的に聴取していきましょう。