アナフィラキシーの治療をしているけれど、胸痛があって冷汗もある・・・
アナフィラキシーの症状で胸痛ってあったかな??
アナフィラキシー+胸痛なら“Kounis症候群”かもしれないね!心電図をとってみよう!
Kounis症候群??・・あ!ST上昇してる!
目次
Kounis症候群とは
Kounis 症候群は、アナフィラキシーと急性冠症候群が同時に発生する病態と定義されています。
アナフィラキシー(アレルギー反応)により、肥満細胞が活性化され、放出されたメディエータの作用により冠血管攣縮や急性心筋 梗塞が引き起こされると考えられています。
Kounis症候群の3つのタイプ
Kounis 症候群は急性冠症候群を引き起こすメカニズムの違いから3つのタイプに分類されています。
- TypeⅠ:冠攣縮によるACS(元々冠動脈狭窄無し)
- TypeⅡ:元々冠動脈狭窄あり
- TypeⅢ:ステント内血栓
造影剤によるアナフィラキシーの時の冠動脈造影
アナフィラキシーの原因が「造影剤」の場合、診療担当医は悩みます。
なぜなら、ACSの診断・治療のためには「造影剤」を使った冠動脈造影が必要になるからです。
ただ、TypeⅡ、TypeⅢであればカテーテルによる治療が必要ですし、診断のためには冠動脈造影は必須です。
症例報告レベルですが、造影剤によるKounis症候群でステロイド投与を行いながら冠動脈造影を行い治療できた、という報告もあります。
まとめ
アナフィラキシーの人が胸痛を訴えたら心電図をとろう!
アナフィラキシーによる急性冠症候群=Kounis症候群の可能性あり!
TypeⅠからⅢまであるけど、冠動脈造影しないとわからない!
造影剤アナフィラキシーによるKounis症候群の時の冠動脈造影は悩ましいけれどステロイド投与しながら治療完遂できたという報告あり!
参考文献
- 冠動脈形成術を要した造影剤による Kounis 症候群II型の 1 例:須賀 将文 日集中医誌 2017;24:341-4