スーパーで買ったサバ寿司を食べて1時間くらいしてから全身に蕁麻疹が出現し、下痢も一度だけ出た。
これまでにも同じサバ寿司を食べたことがあるがこのような症状は初めて
サバを食べた後から蕁麻疹と下痢が・・・アナフィラキシーかな??でもこれまで同じもの食べても大丈夫だったのに・・
もしかしたらヒスタミン中毒かもしれないね。まずは抗ヒスタミン薬で様子を見てみようか!
ヒスタミン中毒?
目次
ヒスタミン中毒とは
「ヒスタミン中毒」はその名のとおり、ヒスタミンを多く摂取することで蕁麻疹や下痢、嘔吐などを引き起こす病態です。
食後に蕁麻疹など症状を起こすためアナフィラキシーと診断されてしまう場合もありますが、アレルギーとは病態が異なります。
ではヒスタミンを多く摂取するというのは、何を食べた時に起こるのでしょうか?
主には赤身の魚です。
赤身魚(マグロ、ブリ、サバ等)には“ヒスチジン”が多く含まれますが、このヒスチジンがヒスタミン産生菌によって分解されてヒスタミンとなります。
ただし、これらの魚をたくさん食べたからといって必ずヒスタミン中毒になるわけではないのです。
ヒスタミン産生菌がヒスタミンを産生するにはある程度時間がかかります。
なので長期間保存していた魚ではヒスタミンが増えている場合があります。
また、そもそもヒスタミン産生菌が付着していなければヒスタミンは産生されません。
なので同じ魚を同じ量食べたとしてもヒスタミン中毒になるかどうかの予測は難しいです。
ヒスタミン中毒の治療
ヒスタミン中毒の治療の基本は抗ヒスタミン薬の投与です。
蕁麻疹に対してまずはH1ブロッカーを投与します。
ただし、アナフィラキシーの治療の時と同様に皮疹が広範囲の場合はH2ブロッカー(ファモチジンなど)を同時に投与することも考慮します。
またヒスタミン中毒であればアドレナリンの投与は不要です。
ただし、後述しますがヒスタミン中毒かアナフィラキシーかどちらか迷うような場合は投与せざるを得ない場合もあります。
アナフィラキシーと迷った時は
ヒスタミン中毒は下痢・嘔吐などの消化器症状が出ることがあります。
また、まれですが気道症状が出現したり、血圧低下する例があるとされています。
その場合はアナフィラキシーとの鑑別が難しくなります。
アナフィラキシーの可能性が否定できなければ迷わずにアドレナリンの投与を行いましょう。
アナフィラキシーであった場合にはアドレナリン投与が遅れることが致命的になりえます。
一方ヒスタミン中毒にアドレナリンを投与してしまったとしても、デメリットは大きくありません(もちろん効果は期待できませんが)。
まとめ
アナフィラキシーと紛らわしい、ヒスタミン中毒について解説しました。
赤身の魚を食べた後に蕁麻疹などの症状が出た場合はヒスタミン中毒の可能性を疑いましょう。
アナフィラキシーが否定できなければ迷わずアドレナリン筋注して大丈夫です。