医局に入る3つのメリットとデメリット 

研修医・若手医師

市中病院で研修していると、志望の診療科が決まった後に悩むのが「医局に入るかどうか」です。

僕自身は後期研修医の時点では医局に属していませんでしたが、キャリアの中で医局に属していた期間もあり、今は再度離れています。

ここでは医局に入ることによる具体的なメリットとデメリットについて簡単に解説していきます。

目次

医局に入る3つのメリット

まずは医局に入るメリットですが、一般的には以下の3つがあると言われます。

  1. 学位
  2. 海外留学(主に研究で)
  3. ポスト

いずれも医局に属さないと得られないわけではないですが、医局に属した方が得られやすいのは間違いないと思います。

順番に解説していきます。

学位

学位(医学博士)をとるためには大学院に入って研究をして論文を書くのが一般的です。

大学院の講座に所属する事と、医局に入る事はほぼ同じと言ってよく、大学院に入って研究する時には基本的に自分の診療科の医局に属することが多いです。

そして医局の教授や先輩から研究の指導を受け、場合によっては先輩の研究テーマやデータを引き継いで論文を書いたりすることもあります。

大学院には入らずに論文を書いていわゆる論文博士を目指す方法もありますが、個人的にはこちらの方が難易度が高いと感じます。

論文博士については、論文博士とは?取得の方法と必要な3つの条件について解説、の記事を参考にしてください。

海外留学

大学院で論文を書いて学位を取った後に、主に研究で海外留学をするというのが医局でのキャリアの一般的な流れです。

海外留学も医局に属さなくてもできないことはないかもしれませんが、やはり大学の講座のつながりがある海外の施設の方が行きやすい事は間違いありません。

もちろん自分で留学先を探すということもあるかもしれませんが、それでも留学に際して推薦状が必要になるので、医局に属していれば教授が推薦状を書いてくれます。

ポスト

地域にもよりますが、基幹病院の部長や院長などのポストは大学医局がおさえているのが一般的です。

またポストとは意味合いが少し変わりますが、地域と診療科によっては専門医をとるために医局に入って大学を含む基幹病院での後期研修が必要になる場合もあります。

医局に入るデメリット

デメリットは基本的に1つで、医局人事によって勤務先が決まる事です。

もちろん希望をある程度聞いてもらえる事もあるとは思いますが、医局に関連した病院での勤務が基本となりますし、同期がたくさんいるような大きな医局ほど個人の希望は通りにくくなるでしょう。

ただ、特に外科系では必要なスキルを身につけるために複数の施設を経験する必要がある事もあるので医局所属すれば自分で研修先を探す手間が省けるという考え方をあります。

まとめ

医局に入るメリット、デメリットについて簡単に解説しました。

学位・留学・ポストに興味があるという人は医局に入ることでメリットを生かせると思います。

逆にそれらに興味が無くて、自分で研修先や勤務先を自由に決めたいという場合にはデメリットのい方が大きいかもしれません。

また入るタイミングについても正解は無く、とりあえず後期研修は自分で施設を決めたけど、その後大学院に行きたくなったのでそのタイミングで入るというのもありだと思います。

以上参考になればうれしいです。

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