災害といえばトリアージのイメージが強いですよね。
けれど災害現場に到着していきなりトリアージをはじめるわけにはいきません。
トリアージをする前にすべきこと
トリアージをした後にすべきこと
を順序よく整理したものがCSCATTTです。
ここでは災害初心者向けに災害医療の基本原則CSCATTTについて解説していきます。
目次
CSCATTTとは
- Command and Control (指揮系統の確認)
- Safety (安全確保)
- Communication (情報伝達)
- Assessment (評価)
- Triage (トリアージ)
- Treatment (治療)
- Transport (搬送)
実際に患者さんの診療にあたる部分は後半のTTTですが、まずは前半部分のCSCAを確立することが大切です。
CSCAについて解説していきます。
Command&Control(指揮系統の確認)
まずは自分が活動する場所での指揮系統を確認します。
自分の組織の上位・下位(Command)だけでなく、関係各機関の横の関係(Control)も確認します。
可能であればホワイトボードに指揮系統図を書いておき、連絡先の電話番号なども記入しておけば後のCommunicationの確認もスムーズです。
Safety (安全確保)
安全確保は3つのSを確認します。
- Self(自分)
- Scene(現場の状況)
- Survivor(傷病者)
まず自分の安全が第1です。そして現場の状況が安全であることを確認し、傷病者の安全確保という順番で考えていきます。
自分の安全について、ヘルメットや安全靴など装備が十分かを忘れずに確認しましょう。
現場の安全確保に不安がある場合は警察・消防との連携が重要になります。
Communication (情報伝達)
Command and Controlで確立した各連携機関、そしてチーム内での連絡先・連絡手段を確認します。
災害時は通常の連絡方法が使用できない場合もあります。
トランシーバーや衛星電話など普段使用しない機器を扱う場合もあるので、使用方法も含めて事前に確認しておきましょう。
後半のTTTがはじまった後に連絡手段が無くて孤立してしまう、ということだけは避けたいです。
Assessment (評価)
情報を整理して、現在必要な活動を確認します。
後述するMETHAN reportに沿って情報収集・伝達をすると漏れがないでしょう。
METHANE reportとは
METHAN reportとは災害時に必要な情報の頭文字を取ったものです。
- M:My call sign / Major Incident
自分の組織・名前を伝え、災害を宣言 - E:Exact location
正確な位置・座標 - T:Type of incident
災害の種別 - H:Hazard
現場活動における危険性の情報 - A:Access
現場までの経路と手段 - N:Number of casualties
傷病者数 - E:Emergency services present and required
緊急対応機関の現況と今後の必要性
これらに沿って情報収集・伝達をすることで適切なアセスメントが可能になります。
まとめ
災害時の基本原則CSCATTTについて解説しました。
トリアージの前にすべきことCSCAを忘れないようにしましょう。
トリアージについては、災害トリアージの基本|START法・PAT法・トリアージタグの記載法、の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。