右下腹部痛の人を診てるんですが、虫垂炎のAlvarado scoreが3点なのでCTはいらないですね!
よく勉強しているね!だけどAlvarado scoreのみでCTが不要言い切れるかは微妙なところなんだ。
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目次
虫垂炎のAlvarado scoreとは
「MANTRELS」(マントレルズ)の頭文字から始まる症状でRL(右左)が2点、と覚えると良いです。
これが7点以上でかなり虫垂炎らしい、4点未満で虫垂炎らしくない、となります。
虫垂炎のAlvarado scoreをどう使うか
このAlvarado scoreですが、残念ながらこれだけで虫垂炎の確定診断も除外もできない、というのが実際のところです。
感度・特異度が十分では無い、と言ってしまえばそれでおしまいなのですが、もう少し考えてみます。
例えば、痛みの移動があって嘔吐していて右下腹部に圧痛があるような場合、点数としては3点になります。
でもこの状況ならCTを取らざるを得ないかと思います。
一方で食思不振と嘔気と37.5℃の発熱だけであれば同じ3点でも虫垂炎はいきなり疑わないかと思います。
つまり同じ3点でも組み合わせによって虫垂炎らしさは大きく変わるということがわかるかと思います。
逆にAlvarado scoreが10点(満点)であった症例が上行結腸の憩室炎だったという経験もあります。
要は回盲部周囲に炎症が起こっていればAlvarado scoreは高くなってしまうのです。
なのでやはり最終的にはCTを取らなければ診断は確定できません。
Alvarado scoreはあくまでも虫垂炎らしさを判断するための一つの情報にすぎないということです。
虫垂炎のAlvarado scoreの欠点
腹痛診療のバイブルであるCopeの「急性腹症の早期診断」の本の中で
とあります。
Copeは人の名前で、エビデンスというよりは長年の経験(それも一つのエビデンスですが)に基づいた腹痛診療のパールを書いた本です。
こういった症状の出現する順番というのも臨床的には重要なのですが、Alvarado scoreではこの「順番の要素」が入らないことも欠点になります。
まとめ
虫垂炎の診断スコアAlvarado scoreについて解説しました。
Alvarado score単独では診断確定も除外も困難です。
虫垂炎らしさを判断する参考程度にとらえ、病歴・身体所見から総合的に判断する、という地道な作業が結局は重要になります。
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