ドクターカーって何?救急車との違いを解説

患者さん向け

ドラマとかでドクターカー(ヘリ)に乗って現場へ出動するシーンをみたことがある方もいるかもしれません。

ドクターカーってよく聞くけど、救急車とどう違うの?自分で呼べるのかな?

ドクターカーは医師や看護師が車(救急車のような形以外のものもあり)に乗って現場まで行く、というものです。

救急車との違いや、ドクターカーが出動する基準などについて、実際にドクターカーに乗っている救急医が解説していきます。

なぜ医師が現場へ行くのか?

ドクターカーが出動する、しないに関わらず救急要請があればまず救急隊が現場に向かいます。

そして患者さんが心肺停止の時には、救急隊が気管挿管や薬剤投与などの医療行為を行うこともあります。

救急隊がいるのになんで医師が出て行くの?

実は救急隊は、基本的には心肺停止の患者さんにしか医療行為ができないんです。

※最近低血糖時のブドウ糖投与など救急隊の医療行為の範囲は拡大しつつありますが、状況は限られています。

なので、呼吸の状態が良くない、けいれんしている、血圧が低い、などの場合は救急隊だけではできる処置がほとんど無いのが現実です。

もちろん搬送途中に心肺停止になってしまった時は救急隊による処置も可能になりますが、そうなる前に治療したほうが、いい結果につながる可能性が高まります。

特に気道が閉塞しているなど1分1秒を争う時などはドクターカーが出動することで、心肺停止になるのが防げるかもしれません。

ドクターカーが出動する基準は?

では全ての救急要請に対してドクターカーが出動するかというと、そうもいきません。

患者さんの希望で出動することもありません。

実際に救急車で搬送される患者さんでも、1分1秒を争う処置を必要としていることは稀です。

救急車で病院まで搬送すれば、治療を受けられるので通常は救急隊のみで搬送します。

ドクターカーを要請する方法としてよく用いられるのは“キーワード方式”です。

キーワード方式

「胸痛」や「けいれん」、「高エネルギー外傷」など、緊急での処置が必要となる可能性がある“キーワード”での救急要請があった場合に救急車と同時にドクターカーも現場へ向かう、という方法です(地域によってキーワードの設定は異なります)。

この方法だと、救急要請があった時点でドクターカーも出動するので現場まで早く到着できます。

ただし救急要請者からの電話での情報のみで判断しているので、行ってみたら実際には軽症だった、ということも珍しくありません。

これは“早さ”と“情報の正確さ”はトレードオフなのでやむを得ません。

もう一つの方法として、現場の救急隊が患者さんと実際に接触した後にドクターカーを要請するパターンです。

この場合は実際に重症である確率は高まりますが、ドクターカーが現場に到着するまでに時間がかかります。

ドクターカー活動の実際

実際のドクターカー活動について簡単に説明していきます。

まずキーワード方式で、救急車とドクターカーが同時に現場へ向かって出発します。

当然ですが、ドクターカーは病院から医師・看護師を乗せて出発します。

救急車は現場から最寄りの消防署から出動するので、救急車が先に現場に着くことが多いです。

そこで、救急隊によって軽症と判断されればドクターカーの必要無し、となり「反転(病院へ戻る)」の指示が出ます。

やはり重症でドクターカーが必要そうだ、という判断になると次はドクターカーが現場まで来るのを待つか、それとも現場を出発するかを判断します

ドクターカーが来てないのに出発したら入れ違いになるのでは?と思うかもしれません。

現場と病院の間の中間地点を割り出して、そこにそれぞれ向かって落ち合うという方法をとるのです。

この待ち合わせ場所は「ドッキングポイント」とか「ランデブーポイント」なんて呼ばれたりします。

現場でずっと待ってるよりもお互いの方向に走った方がより早く医師が患者さんに接触できるのです。

現場またはドッキングポイントで医師が患者さんに接触したら、すぐに診察をはじめて必要な処置を判断していきます。

ここで重要なポイントは現場での処置に時間をかけすぎないことです。

病院の外ではあくまでも応急処置しかできないので、不要な処置をして時間がかかってしまうと、根本的な治療が遅れる可能性があります。

あくまでも必要最小限の処置を行って患者さんを病院へ搬送します。

まとめ

ドクターカーと救急車の違いや、活動について紹介しました。

患者さん自身がドクターカーを呼べるわけではないので、救急車を呼んだとしてもなかなか遭遇する機会はないかもしれません。

もしドラマで出てきたり、町で「Doctor Car」書かれた車を発見した時にはこの記事をふりかえってみてください。