点滴が痛いのはなぜ?原因や知っておくべきことを医師が解説

患者さん向け

点滴を受ける時に痛いくないかって不安ですよね。

「点滴の痛み」と一言に言っても、我慢するしかないものと、我慢しないほうがいいものがあります。

ここでは点滴を受ける時に患者さんが感じる痛みの原因について医師が解説します。

患者さんとしてできること、こんな時は看護師さんに声をかけたほうがいい、というお話もします。

点滴を刺す時の痛みは皮膚を貫く時の痛み

点滴の痛みで避けられないものは針が皮膚を貫く時の痛みです。

逆に言えば皮膚を貫いて針が血管内に入ってしまえば痛みはほとんどなくなります。

刺す瞬間の痛みだけはどうすることもできないのですが、痛みを少なくする方法があるとすれば1回で成功することです。

それは医療スタッフの技術の問題だろ!と思われるでしょうし、もちろん技術的な問題は確実にあります。

ですが、患者さんとして点滴の成功率を上げるためにできることがあるんです。

点滴の成功率を上げるために患者さんとしてできること

患者さんとして点滴の成功率を上げるためにできることは2つです。

  • 点滴を打つ部位を指定しない
  • 点滴をする人を指定しない

医療スタッフは点滴をする時に、一番いい血管を探すことを常に考えています。

なので「いつもここを刺してもらってる」とか、「そこは痛そうだからやめてほしい」とか、は言わない方が良いです。

痛みを減らしたいために刺す部位を指定したい気持ちはよくわかりますが、残念ながらほとんどの場合は逆効果です。

「いつもここからやってもらっている」といっても、その日の体調や刺す人のやり方、点滴の内容などによっても、適切な部位は変わります

点滴をとる医療スタッフを信じて刺す場所はお任せしてください。

また、「研修医にはやられたくない」、「若い看護師にはやられたくない」という気持ちをわかります。

ですが、実は点滴をとる技術は研修医や若手の看護師の方がむしろ上手なこともあります。

点滴をとるというのは一般的には若手の仕事です。彼らは毎日のように点滴をとっていますので、年配の医師・看護師よりも上手にやってくれます。

なので、自分の担当の研修医・看護師を信じてあげてください。

点滴がはじまってから痛くなる原因は主に2つ

点滴の針が血管内に入って固定した後に、点滴の薬がポタポタと落ち始めます。

そのあとに痛みが出た場合は次の2つの原因が考えられます。

  • 点滴が血管から漏れている場合
  • 点滴の中身によって痛くなりやすい場合

それぞれについて説明していきます。

点滴が血管から漏れている場合

まず考えられる原因として点滴が漏れている場合です。

これは液体が血管の外に漏れることで、血管の外にある皮膚や脂肪が圧迫されたり、炎症を起こすことで痛みが出ています。

気づいた時点で点滴を中止して、別の場所からやりなおす必要があります。

点滴が漏れると、点滴の針のあるあたりの皮膚が腫れてきます。

医療スタッフも十分注意して観察していますが、患者さん自身で気づかれた場合はすぐに看護師など医療スタッフに声をかけてください。

点滴の中身によって痛くなりやすい場合

点滴が適切に血管の中に入っていたとしても、薬剤の性質によって痛みが出るものがあります。

代表的なものとして

  • 抗がん剤
  • カリウムというミネラルを補充する製剤
  • 濃度が濃いブドウ糖などの栄養剤

があります。

これらが痛みが出る理由は、少し専門的になりますが、pHという酸性アルカリ性のバランス、浸透圧が高いなどの要因によって血管の炎症(静脈炎と言います)を起こすからです。

もし痛みが出た場合は、投与のスピードを緩めたり、点滴の濃度を薄くすることなどで改善できる可能性があります

このような点滴を使う場合は医療スタッフが「痛くないですか?」と声をかけることも多いですが、見た目ではわからないので、痛いときは我慢せずにすぐに医療スタッフに声をかけてください

まとめ

点滴の痛みが出る原因について解説しました。

患者さんにとっても、医療スタッフにとっても痛みが少ない方が絶対いいに決まっています。

痛みを感じたときは我慢せずに医療スタッフに伝えることが大切です。

医療スタッフと患者さんが協力していくことでより良い医療ができればいいなと思っています。