レジデントやフェロー、アテンディングなど医師の呼び方を解説

患者さん向け

海外の医療ドラマを見ているとインターンやレジデント、アテンディングなどいろんな呼び方が出てきます。

一方日本の医療ドラマの代表作コードブルーではフェローと呼ばれる若手医師も出てきたり

いったい何が違うの?という疑問は当然です

そもそも日本とアメリカで微妙に意味合いが違うことが混乱の原因なのです。

ここでは日米の違いを含めて解説していきます。

目次

米国での医師の呼び方

インターン

研修医1年目の期間をインターンと呼びます。

レジデント

卒後2-7年目までの専門医を取るまでの期間はレジデントと呼ばれます。

レジデントは「住み込み」という意味から来ているとの説が有力で

朝早くから夜遅くまで診療して、緊急の呼び出しにも対応するなど、まさに病院に住んでいるかのごとく働きます(最近は改善されているようですが)

フェロー

レジデント終了後にさらに専門を深めるための1−3年程度の期間です。フェローを飛ばしてアテンディングとなる道もあります。

アテンディング

いわゆる指導医のポジションになりますが、一般的にアテンディングのハードルは高く、米国のドラマではいわゆる憧れの存在として描かれている印象です。

日本での医師の呼び方

初期研修医(ジュニアレジデント)

日本では初期研修を2年間行うことが義務付けられています。

内科・外科・救急などいろいろな診療科を月単位でローテートし医師としての基本を身につける期間です。

昔はこの間をインターンと呼んでいた事もあったようですが、今はほぼ聞くことがありません。

高齢の患者さんからは、ごくまれに「あれはインターンの先生ですか?」などの言葉を聞くことはあります。

昔は初期研修医と言えば、ほぼ無給で病院に泊まり込み(レジデントのように)で診療・雑用をこなす存在でした。

ですが現在は給与も保証され、時間外勤務も厳しく制限されるため、シニアレジデントに比べ時間的な拘束は少ない傾向にあります。

後期研修医 専攻医(シニアレジデント)

初期研修終了後、卒後3−5年目を指します。

専門医を取るためのプログラムにそって研修するのが原則で“専攻医”と呼ばれることもあります。

米国の“レジデント”に近いのがこの後期研修医です。

救急医をしていて心筋梗塞の患者さんが来院したときは、緊急カテーテルのために循環器内科医を呼ぶのですが、

この後期研修医たちはまさに病院に住んでいるのではないかと錯覚するくらい、あっという間に救急外来にやってきてテキパキとカテーテルの準備を進めていきます。

もちろん長時間労働は改善されるべきですが、若いうちの限られた期間のみであれば、集中的に経験を積むことは必要だなと感じます。

フェロー

日本ではフェローというポジションはまだ一般的ではありません。

専門医を取得後にさらに高度な専門領域を深めるための修練期間、卒後6年目以上を対象としたポジションになります。

例えば救急科専門医を取得した後に、集中治療専門医をとるために集中治療フェローというポジションで2-3年のプログラムを提供している施設もあります。

コードブルーのフェローたちは、後期研修を終えてフライトドクターという特殊なスキルを学ぶためにフェロープログラムに応募してきたのでしょう。

指導医(アテンディング)

後期研修を修了し、何らかの専門医資格を持った医師を指します。日本では「アテンディング」と呼ぶよりは“スタッフ”や“指導医”などと呼ぶ施設の方が多いかもしれません。

まとめ

アメリカと日本での医師の呼び方について解説しました。

日本では、研修医や指導医といった呼び方をすることも多いため、レジデントやフェローなどの呼び方は施設によって微妙にニュアンスが変わることがあります。

上記を参考に日本とアメリカのドラマを見比べてみると面白いかもしれません。

医療ドラマに興味がある方は、救急医がおすすめする医療ドラマ「ER緊急救命室」の3つの魅力、の記事もよかったらのぞいてみてください。