頑張ってはじめてのCase Reportを書き上げたあなた
オンラインで自分の論文を眺めながら余韻にひたっている頃に、こんなメールが英文で来はじめます。
Dear Dr. 〇〇, (聞いたことの無い雑誌名)は幅広いジャンルのテーマを扱うオープンアクセスジャーナルです。私たちは“あなたの論文のタイトル” を読んでとても興味を持ちました。ぜひあなたの論文を我々の雑誌に投稿してください。〇月〇日までに投稿いただければ、volume◯に掲載します。
これはどういうこと?私の論文が評価されてるの?とりあえず何か返信しないといけないのかな・・・
何だかよくわからず不安になった方のために、迷惑メール(ハゲタカジャーナル)の見分け方をお話ししていきます。
目次
ハゲタカジャーナル(迷惑メール)の特徴
迷惑メールという表現を使いましたが、要は質の低い記事でもなんでも片っ端から掲載してその掲載料で稼ごうとするビジネスです。
そんな雑誌をハゲタカジャーナルという言い方をする場合もあります。
日本語で論文を書いたとしても、abstractが英語で書いてある場合はそれを見つけて連絡してくる場合もありえます。
ちなみに論文を掲載するにあたり日本円で少なくとも10〜20万円は取られるはずです。
聞いたことが無い雑誌名はハゲタカ
基本的に聞いたことが無い雑誌は迷惑メールとして扱って良いと思います。
あなたの専門領域であれば、ある程度マイナーな雑誌でも聞いたことがあるはずです。
全く聞いたことない、ということは質が低い雑誌の可能性が高いと考えて良いと思います。
雑誌名が、なんとなく広い範囲をカバーしてそうな場合はハゲタカ
向こうの狙いとしては、とにかく誰でもいいから論文を載せてもらってお金を払って欲しいわけです。
なのでジャンルを広く扱いたいという狙いがあります。
なのでなんとなく広い範囲をカバーしてそうな雑誌名、どんなジャンルを投稿しても不自然ではないような雑誌名は、お金目的である可能性が高いです。
必ず掲載しますみたいな記載はハゲタカ
そもそも査読がある雑誌であれば論文を掲載するためには査読をクリアしなければなりません。なので「期限さえ守ってくれれば必ず掲載するよ」みたいなのはおかしいです。
ある程度質が保たれている雑誌であれば、「ぜひ論文を投稿して欲しいけど、掲載するかどうかは査読の結果次第だよ」となるはずです。
そもそも論文を1-2本書いただけの人に論文の掲載依頼を送っている時点でハゲタカ
もしもあなたが、その領域のトップランナーであれば話は別です。権威ある雑誌からいろいろな依頼が来る可能性はあるかもしれません。
ですがそれだけ経験豊富な研究者であればこの手のメールは浴びるほど受け取っているので、迷惑メールかどうか瞬時に判断できます。
慣れていない初心者だけが、誘いに乗ってしまう可能性があるので注意しましょう。
信頼できるジャーナルかどうかの日本語のチェックリストのリンクも参照してください。
まとめ
論文投稿をエサに掲載料をとろうというビジネスがある、というのを知っていれば、すぐにおかしいと気づけるはずです。
基本的に全て無視で大丈夫です。
もちろん掲載料をとるオープンアクセスジャーナルでも、質の高い雑誌はたくさんあります。
あなたの努力の結晶である論文を、怪しい雑誌に投稿してしまわないように注意してください。