肺炎の重症度評価!ADROPスコアの使い方と3つの注意点

研修医・若手医師

肺炎だ!と診断がついてあとに、上級医から「ADROPは計算した?」と聞かれたことはありませんか?

肺炎にも外来診療で治療可能なものからICU入室まで幅広い重症度がありますが、それを簡便に判定するために使われるのがADROPスコアです。

一見便利なADROPスコアですが、実際に使ってみるといろいろと悩むことが出てくるはずです。

ADROPの基本から、実際に使うときの注意点などを簡単に紹介します。

ADROPで評価すべきは5項目

まずはADROPの5項目について確認です

年齢、脱水、呼吸状態、意識、血圧の5項目で0点から5点までです。

注目すべきはよく感染症で注目されがちな(?)白血球やCRPなどが入っていないという点ですね。

「CRP20ってかなり高いから入院させたほうがいいのかな・・・」というふうには考えなくて良い、ということです。

これと似たスコアでCURB−65もありますが、なぜ日本でADROPがよく使われているかというと、日本で作られたスコアだからです

当たり前といえば当たり前に聞こえますが、でもなんとなく日本で作られたものよりも海外で作られたもののほうがいいような気がしませんか?(僕だけでしょうか・・・)

ですが、日本の患者さんに当てはめるということを考えた場合はやはりADROPのほうがいいかもしれません。ADROPとCRUB-65の大きな違いは、年齢のカットオフです。

ADROPのほうが年齢の基準を高めに設定しているので、高齢社会、平均寿命も高い日本ではより適切かもしれない、というわけです。

ADROPスコアを使うときの3つの注意点

ADROPスコアを使うときの注意点は3つあります。

ADROPを使うときの注意点
  1. 市中肺炎向けだから誤嚥性肺炎などには基本使えない
  2. 重み付けがないから、点数だけでなくどの項目が該当したかも重要
  3. 社会背景などは個別に考慮する必要あり

まず大前提としてこれは市中肺炎の評価を目的として作られているという点です。

なので誤嚥性肺炎や院内肺炎などの特殊な状況での肺炎には原則使用できません。

2つめの注意点はそれぞれの項目が全て“1点”なので、重みづけがなされていない、という点です。

例えば低酸素血症のみが該当した場合は1点のみ、なのですがその時点で入院は確定ですよね。

血圧や意識レベルについても該当した時点で入院、というのはほぼ確定かと思います。

一方で年齢のみが該当の1点の場合は入院するかどうかは状況によると思います。

なので単純に点数だけでは判断できないので、特に1−2点の人についてはどの項目が該当しているのか+αの情報で個別に考えていく必要があります。

3つ目は+αの部分、つまり社会背景や基礎疾患などがスコアに反映されていないのでそれらも踏まえて総合的に判断していく必要がある、という点です。

例えばスコアは0点であったとしても、もともとADLがそこまでよくないけれども独居でなんとか生活している、というような人の場合は肺炎を契機にADLがさらに落ちていて、入院せざるをえないという場合もあるでしょう。

ADROPスコアに限らずですが、多くの人に当てはめることができる指標を作ろうとすると、どうしても個別の背景が評価できないため、多くの人にそのまま当てはめることができない、というジレンマがあります。

なので今後さらに精度の高いスコアが作られたとしても、項目が多すぎて使いにくい、か結局は項目以外も踏まえて判断しないといけない、のどちらかでしょう。

まとめ

ADROPスコアは年齢、脱水、呼吸状態、意識、血圧の5項目で評価しましょう。

白血球やCRPは入ってないです。

ADROPスコア使うときの注意点は3つです。

  1. 市中肺炎向けだから誤嚥性肺炎などには基本使えない
  2. 重み付けがないから、点数だけでなくどの項目が該当したかも重要
  3. 社会背景などは個別に考慮する必要あり

ADROPの限界を知って、上手に使っていきましょう。

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2020年3月23日