カフェイン中毒の診かた|致死量や治療を解説

研修医・若手医師
 34才女性
自殺目的にカフェイン含有の市販薬20錠を内服した後から嘔吐を繰り返すため家族が救急要請

カフェインてコーヒーとかエナジードリンクにも入ってる成分だしさすがに死ぬことはないよね・・・

いや、カフェインは過剰に摂取すると致死的になる薬物なんだ!場合によっては透析が必要になることもあるよ

カフェイン中毒の致死量

様々な報告がありますがカフェインの致死量は5〜10g(5000-10000mg)と言われています(1)

ただしこれよりも少ない量でも心室性不整脈が発症する可能性はあり、注意して観察する必要があります。

ちなみに1日あたりの適正なカフェイン摂取量は200-400mg未満とされます。

エナジードリンクや眠気覚しのためのカフェイン製剤は1杯、1錠が100mg前後のものが多いです。

過量内服した場合にはどの製剤を何錠(何杯)飲んだか、という情報から摂取量は計算する必要があります。

カフェイン血中濃度の測定

カフェインの血中濃度は通常不可能な施設がほとんどです。

最近テオフィリン血中濃度測定がカフェイン血中濃度の測定に使えるのではないか、との報告があります。

実際カフェイン中毒の症例でテオフィリン血中濃度を測定すると上昇していることがあります。

ただし、実際のカフェイン血中濃度とどの程度相関するか、治療の指標として使えるか、については明らかになっていません。

実際の臨床では摂取量、臨床症状などから治療方針を決めることになります。

カフェイン中毒の治療

カフェインには拮抗薬などは無く、治療は対症療法が基本です。

興奮状態に対してベンゾジアゼピンを投与したり、頻脈に対してβブロッカーを投与する報告もあります。

重症例では血液浄化(透析)も有効とされており(2)、致死量を内服していたり、痙攣や心室性不整脈などの重篤な症状が出ている場合に選択肢となります。

まとめ

カフェイン中毒について致死量の目安や治療の考え方を解説しました。

血中濃度が測れないので摂取量が重要な情報になります。

重症と判断すれば透析を検討しましょう。

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【参考文献】

  1. Holmgren P, Nordén-Pettersson L, Ahlner J. Caffeine fatalities–four case reports. Forensic Sci Int. 2004;139(1):71‐73. doi:10.1016/j.forsciint.2003.09.019
  2. Holstege CP, Hunter Y, Baer AB, Savory J, Bruns DE, Boyd JC. Massive caffeine overdose requiring vasopressin infusion and hemodialysis. J Toxicol Clin Toxicol. 2003;41(7):1003‐1007. doi:10.1081/clt-120026526