論文博士は廃止されるのか?論文博士をとった医師が考察

研修医・若手医師

結論から言ってしまうと、論文博士が廃止される可能性は低いと思います。

なぜそう考えるかについて、お話ししていきます。

 筆者は臨床をしながら論文博士を取得した医師です

論文博士が廃止される議論はどこからきたのか

2005年6月に行われた文部科学省の中央教育審議会において「論文博士」について、「諸外国の制度と比べ日本独特の論文博士は将来的には廃止する方向で検討すべきではないかという意見も出されている」という文言があります。

要するに、論文博士は海外には無い日本独自の制度だし研究のレベルを担保するためにも課程博士に一本化した方ががいいんじゃないか、ということのようです。

明言はされていないようですが、「論文博士の研究はレベルが低い」と言っているようにも思えます。

ところがそうは言えないかもしれない出来事が最近ありました。

論文博士は廃止されないと考える理由

2019年のノーベル化学賞を受賞した吉野さんは、大阪大学で論文博士を取得しています。

ノーベル賞受賞者にも一定の割合で論文博士がいるため、一概に論文博士が研究者としてレベルが低いとも言えないわけです

つまり、「研究のレベルを担保するために論文博士を廃止する」というロジックは崩れていると言えます。

実際大学に行かずとも企業で研究を続けたり、医師であれば一般病院で診療をしながら質の高い研究をしている人は少なくありません。

その人たちの研究者としての能力を認定するという位置付けの論文博士には一定の存在意義はあると言えます。

ただし、大前提として課程博士(大学院に在籍して取得する博士)と同等の学力・研究力がある、というのが論文博士を認定する趣旨があるため、求められる基準は低くありません。

現時点では大学による差が大きいものの、今後論文博士に求められる論文の質が高くなる可能性はあります。

廃止される可能性は低いかもしれませんが、難易度が上がる可能性があるので、論文博士を検討している人は、早めに取得をした方が良いかもしれません。

まとめ

論文博士は廃止される可能性は低い、というのが筆者の考えです。

ただし廃止されないにしても取得条件が厳しくなる可能性もあります。

論文博士の取得方法については、論文博士とは?取得の方法と必要な3つの条件を解説、の記事で解説しているので参考にしてください。

いずれにせよ、論文博士の取得を考えているのであれば早めに行動する方が良いと思います。