集中治療医が選ぶ!ICU診療に役立つおすすめの本5冊【2020年版】

研修医・若手医師

ICUをローテする時、担当患者さんがICUに入った時に、何から勉強したらいいんだろう・・・と困りますよね。

まずは集中治療の基礎を網羅した本を1冊は持っておきたいところです。

「集中治療を基本から学びたい!」という人向けに、これを買っておけば必ず役に立つ!という本を集中治療医の立場から厳選して紹介していきます。

目次

ICU/CCUの薬の考え方・使い方

「薬の使い方」というタイトルですが、薬の使い方はもちろん、呼吸器離脱や栄養管理など、薬の使い方を明らかに超えたICU管理の知識が網羅されています。

もはや“日本版ICUbook”との声もありますが、本家のICUbookと同様に、著者の思いやローカルルール的な内容もあります。

現在のバージョンは2015年出版なので、やや古い内容もありますが、基本を学ぶ上では申し分ありません

レジデントノート増刊 Vol.21 No.14 集中治療の基本、まずはここから!

レジデントノートの増刊ですが、基本から集中治療を学びたい人にとって読みやすい内容です。

このブログでも紹介しているby systemによるICU管理・回診の流れを学ぶことができます。

血液ガス分析の基本や、人工呼吸器管理など、初心者に必須の知識が網羅されています。

2019年11月発刊で、情報が新しいことも魅力です。もしいま僕が個人的に1冊だけ選ぶのであればこれです

Hospitalist(ホスピタリスト) Vol.7 No.2 2019(特集:総合内科のための集中治療)

総合内科医向けの雑誌Hospitalistの集中治療特集です。

内科医(非集中治療医)へ向けた内容であり、研修医や看護師などの初心者にもわかりやすく書かれています。

こちらもby systemの考えに基づいて、必ずディスカッションすべき内容を解説してくれています。

こちらも2019年8月発刊で、レジデントノートと甲乙つけ難いですが、将来内科医を目指すのであればこちらが良いかもしれません。

Dr.竜馬の病態で考える人工呼吸管理

集中治療のカリスマ、田中竜馬先生による人工呼吸器管理の本です。

人工呼吸器管理の本はたくさんあるのですが、人工呼吸器のモードの基本やグラフィックの見かたをしっかり解説している本が他にありません。

人工呼吸器が苦手な人、得意になりたい人は必読です。

ICUブック第4版

集中治療医のバイブルともいえる名著です。

内容はやや難解ですが、著者のマリノさんの哲学が散りばめられており、集中治療の奥深さを知ることができます。

正直初心者が最初に読む本では無いのですが、将来集中治療医になる人、または集中治療医になろうか迷っている人は読むことをおすすめします。

この内容を面白いと感じて、読み進めることができれば集中治療医に向いています

個人的には各章の扉ページに書いてある名言が好きです。

まとめ:どれを買うか迷ったら

集中治療関連で初心者におすすめの5冊を紹介しました。

  1. ICU/CCUの薬の考え方・使い方
  2. レジデントノート増刊
  3. ホスピタリスト
  4. Dr竜馬の病態で考える人工呼吸器
  5. ICUブック

とりあえずICUの基礎を学ぶために1冊だけ買うならば1,2,3の、どれかです。

人工呼吸器に興味があれば4も、

集中治療医になることを検討しているなら5も合わせて買うと良いでしょう。

楽しく集中治療を学んでいきましょう!

by systemで行うICU回診のやり方:集中治療専門医が解説

2020年2月11日