鼻血が止まらない! 救急車を呼ぶ前にできる事

患者さん向け

「何もしていないのに鼻血が突然出てきた!」

「ティッシュを詰めても全然止まらない!どうしよう!」

となって救急車を呼んで来院される患者さんは少なくありません

もちろん何をしても止まらない場合は救急車を呼ぶべきですが、その前に誰でもできる方法で鼻血を止められる可能性があるのでぜひ知っておいてください

特に一般の方が間違いやすいポイントが3つあるので、正しい方法とともに解説していきます。

鼻血を止める基本は鼻翼を圧迫する

止血の基本は圧迫です

ですが押さえる位置が間違っていると効果がありません。

1つ目のよくある間違いは、鼻の根元の硬い部分を押さえてしまう、です。この部分は鼻の骨があるので押さえても骨を押してるだけですし、そもそも出血しやすい部位から離れているので全く効果がありません。

鼻血(鼻出血)の原因となる部位は、鼻の前の方にあります。
キーゼルバッハ部位と呼ばれますが、要は前の方です。

なので鼻翼(鼻の広がってる柔らかい部分)をつまんで押さえます。そして10-15分ほど押さえればかなりの確率で止血できます。

2つ目の間違った方法はティッシュを鼻に詰める、です

ティッシュが血を吸収してくれるので、血が外に垂れる量は減るかもしれないですが、出血部位の圧迫はできていない事がほとんどで、血が外には出てこないものの止まる確率は低いです。

そして3つ目のよくある間違いは、「上を向く」です

これも何故か昔から間違ってやっている人が多いのですが、上を向くと血が喉の方に垂れてきます。そして飲み込んでしまうのですが、血液を大量に飲むと、吐き気が強くなり嘔吐してしまいます。

上ではなく下を向いて、それでも喉に血が垂れてきたら飲み込まずにできるだけ口の外に出しましょう。この時にこそティッシュに活躍してもらうのです。ティッシュに血を吐き出しましょう。

鼻血が出たらまずすべきは「鼻をつまんで下を向く」です

救急車を呼んで救急隊が来たら、まず同じことを指示されます。そして多くの方が救急車で搬送されてる途中にほぼ血が止まっています。救急外来到着時点で完全に止血していなくても、さらに10分くらい手で圧迫する事で止血することが多いです。

そして血が止まっていれば、混雑している救急外来であれば歩いてきた患者さんと同様に待つことになります。しばらく待って診察となっても、血が止まっていれば特に処置はなくそのまま帰宅することになります。

なのでまず自分で正しい方法で圧迫を試してみて、それでも止まらなければ救急車を呼ぶ、がおすすめです。

圧迫を試してみても止まる気配がなければためらわずに救急車を呼んでください。鼻血でも長時間止まらなければ命に関わる事もありえます。

救急外来ではガーゼで圧迫する

ちなみに救急外来で手で圧迫して止まらない場合にどうするかというと、タンポンガーゼと呼ばれる細長いガーゼを鼻に詰めます。ガーゼで鼻の中から直接圧迫するのです。

それならティッシュをつめても同じじゃないの?という疑問を持たれるかもしれませんが、全然違うんです。

大量のガーゼ(少なくとも5-6枚)を鼻セッシと呼ばれるピンセットのようなものを用いて鼻の中にパンパンにつめるので、血が出る隙間も無くなります。

それで止血ができれば、その状態でいったん帰宅していただき、翌日以降に耳鼻科を受診してもらってガーゼを抜去してもらう、という流れになります。

血が固まりにくくする薬を飲んでいる人は鼻血が出やすいし、止まりにくい

血が固まりにくくする薬(俗に言う血液サラサラにする薬)を飲んでいる方は当然鼻血が出やすいし止まりにくいので、圧迫ですぐに止まらなければあまり粘らずに救急外来受診した方がいいと思います。

血が固まりにくくなる薬の代表としてバイアスピリンとかワーファリンという薬が昔からありますが、最近は新しいタイプの薬も出ており名前もいろいろです

ご自分が飲んでいる薬の名前がわからなかったり、血が止まりにくくなる薬かどうかの判断ができない場合もあるかと思いますが、血を固まりにくくする薬を飲んでるということは、血管が詰まるような病気をされた事がある場合がほとんどです。

代表的なものとしては心筋梗塞や脳梗塞ですが、それ以外でも〇〇梗塞とか〇〇塞栓とか〇〇血栓症とかいう病気で通院されているのであればほぼ確実に「血液サラサラ」の薬を飲まれているはずです。

またそれらの薬が効きすぎている場合も鼻出血の原因となることがあるので、最近鼻血がよく出るという場合は早めにかかりつけ医に相談すべきです。

まとめ

  1. 鼻血が出たらまずは「鼻をつまんで下を向く」
  2. 血液は飲み込まずにティッシュなどに出す
  3. 圧迫でも止まらない場合は救急外来受診を(特に血液サラサラの薬を飲んでいるなら自宅で粘らない)