ノルアドレナリンの使い方|ガンマ計算不要の持続静注とワンショットの方法】

研修医・若手医師

敗血症性ショックで血圧が60台の患者さんが救急外来へ

「輸液を2ルートで全開投与で!」

「先生血圧が上がりません・・・」

ノルアドレナリンが必要そうだけど、どうやって使うんだっけ・・・

輸液で血圧が上がらない敗血症性ショックなどではノルアドレナリンの持続投与が必要になります。

ここでは、目の前でショックの対応をしている時間のない人に向けて

・ノルアドレナリンの持続投与のはじめ方
【ガンマ計算不要】
・ノルアドレナリンのワンショットの使い方

3分で読めるようにシンプルに解説します。

ノルアドレナリン持続静注の方法【ガンマ計算不要】

ノルアドレナリン持続静注の簡単な覚え方
5Aを生食でトータル50mlにして5ml/hで開始!
0〜10ml/hの範囲で増減

いきなり結論ですが、ノルアド5Aを生食でトータル50ml(生食は45ml)にして5ml/hで開始、が使いやすいです。

「5」に統一しているので覚えやすいかなと思います。

「でもカテコラミンはガンマ(γ計算して厳密に投与しなきゃだめって聞いたんですけど・・・」

という人も安心してください。

ガンマ(γ)という単位はμg/min/kgで表されます。

ノルアドレナリンの一般的な投与量は0.05〜0.3γです。

ノルアドレナリン5A(5mg)を生食でトータル50ml(生食45ml)にして5ml/hで流すと

50kgの場合:0.17γ、80kgの場合0.1γとなり、ほとんどの体重で0.1〜0.2γの間に収まります

これを0〜10ml/hの範囲で増減していけば、一般的な投与量から大きく外れることはほぼありません。

ガンマ計算をするのは日常的に使い慣れていない人にとってはハードルが高いです(しかも急いでる時に)。

そもそも患者さんの体重なんて救急外来や病棟での急変時に正確に測ることなんてできません。

しかも適切な投与量は患者さんの状態によって変わるのです(当然です)。

なので希釈方法と開始時の投与量をある程度決めてしまって、そこから患者さんの状態に合わせて調整していくで問題ありません。

ガンマ計算はある程度状況が落ち着いてからゆっくり計算すれば良いでしょう。

希釈方法を変える時や申し送りなどで標準化された投与量を共有する必要があるときにはガンマ計算が必要になります。

ノルアドレナリンのワンショットでの使い方

ノルアドレナリンのワンショットの使い方
ノルアドレナリン1Aを生食100mlに希釈
1〜2mlずつ静注

ノルアドレナリンワンショットの使いどころは

  • ノルアドレナリン持続静注をはじめた後に薬が体に届くまでのつなぎ
  • 挿管時の鎮静薬などで一時的に血圧が下がったときの昇圧
  • 血圧が不安定な人の移動中のお守り

などです。

ノルアドレナリンは作用持続時間が短いので(なので持続静注が必要)、一時的な血圧低下や、持続静注がすぐに使えない状況での“つなぎ”の役割だということを忘れないでください。

まとめ

ノルアドレナリンの使い方について持続静注のとりあえずのはじめ方、そしてつなぎの役割としてのワンショットの使い方を紹介しました。

救急外来で急いでノルアドレナリン持続静注を始めないといけない時は「ノルアド5Aを生食で希釈してトータル50ml、5ml/hで!」と指示を出しましょう。

ガンマ計算は少し落ち着いてからで大丈夫です。

ワンショットはノルアド1Aを生食100mlに混注して1-2mlずつ静注です。

頻回に静注する必要があるならば持続静注を準備しましょう。

徐脈の対応としてのプロタノール持続静注の使い方は、徐脈+ショックの鑑別とプロタノールの使い方、の記事を参考にしてください。

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